日記第8回スキート人口はなぜ少ない編
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8.スキート人口は何故少ない?

先のコラムでスキートは面白い、ということをアピールしたつもりですが、面白いのにスキート人口が少ないのは事実です。面白ければスキート人口はトラップと遜色ないはずです。何故、スキート人口は少ないのでしょう。

8-1.スキート人口の少なさ

クレー射撃はトラップ、スキート、ダブルトラップなどありますが、競技人口は圧倒的にトラップが多いと思われます。ダブルトラップ人口の少なさは、そのルールから練習できる射場が少ないので致し方ないのかもしれません。しかし、疑問なのがスキート人口の少なさ。統計学的に調べた訳ではありませんが、射場で見る限りトラップと比較して明らかに少ないです。まぁ、人が少ないほうが練習が出来るので良い面もあるのですが、このままでは競技としても衰退しそうで心配です。

何故、スキート人口は少ないのでしょう?
競技としてのスキートがトラップよりも退屈ということは無いと思います。この前のコラムでも説明しましたが、逆にトラップよりスキートのほうが変化がありゲーム性が高いと言えます。私が想像するに、以下の理由があると思われます。

* スキートを指導する人・銃砲店さんが少ない
* 最初に覚えることがトラップより多い
* 挙銃動作をしなければならない

8-2.指導者不足

まず、射撃は安全面からも銃砲店さんの指導のもとに始めるのが理想的です。しかし、この銃砲店さんが勧める競技がトラップであることが大部分です。スキートを指導してくれる銃砲店さんは本当に少数です。
射撃は日本の所持許可制度と相まって理不尽な面があります。所持許可を得ないと銃を撃つことは出来ないのに、やってみたことのない競技(トラップ、スキート)のどちらの銃を購入(所持)するのか選択に迫られます。しかも、トラップ、スキート双方に利用できる銃というのはありません(スポーティングはスポーティングクレー用です)。で、よく判らないままに銃砲店さんのお薦めに従っていく訳ですが、スキートの指導をしない銃砲店さんがスキートを勧めるわけがありません。で、トラップ銃お買い上げとなり、スキート人口が増加しない一因となっていると思われます。

8-3.最初に覚えること

最初に覚えることがトラップより多いのもスキートに不利な点かもしれません。ちょっと失礼な言い方かもしれませんが、トラップは5分もあれば最低限のことは理解して射台に入れると思います。トラップは1番射台から5番射台まで、やることがすべて同じです。全ての射台でクレーは真正面から放出されるし、放出されるのは1枚だけ。
これに対し、スキートは各射台で飛ぶクレーの数、撃破順などが異なります。これを覚えなければいけないので(最初は判らなくて当たり前なのですが)、指導してくれる人がいないと初心者には敷居が高いかもしれません。別に間違えても構わないんですけどね。それに前方にしか撃たないトラップに比べ、左右に撃つスキートは、射撃指導だけでなく安全指導についても注意しなくてはなりません。

このことは初心者の指導にあたる銃砲店さんにとっては重要なことで、スキートは所謂『手離れの悪い商品』ということになります。ルール指導や安全指導が短時間で手離れする商品(トラップ)を売る気持ちは理解出来ます。

8-4.挙銃動作

競技のルールの中にも初心者には入りにくくなる点があります。トラップは挙(据)銃してからコールします。これに対しスキートは、銃を腰ぐらいの位置で待機させクレーが放出されてから挙(据)銃します。この動作の良し悪しが的中の成否を決めるのですが、瞬時に行わなくてはならないところから、トラップに比べて難しく見えるのではないでしょうか。想像ですが、トラップも挙(据)銃姿勢が的中の成否を決める重要な要因で、最初に構えられるから簡単とは思えません(私はトラップをやらないので実体験としては判りません。トラップをされている方、ご意見ください)。

私がお世話になっている銃砲店さんに聞いてみたところ、トラップかスキートか決めかねている人に、

『スキートは自宅で挙銃練習が必要です、その代わり当てるポイントは教えることが出来ます』
『トラップは最初は入り易いかもしれません、その代わり当てるポイントは自分で見つる必要があります』

と説明しているそうですが、これを聞いた方の9割はトラップを選択されるそうです。自宅での挙銃練習がネックになっているようですが、一日に5分程度でも良いのです。ところでトラップは自宅で練習しなくても上達できるのでしょうか?(どなたか教えてください)

8-5.始めてみましょうよ

こうして見るとスキートには逆風ばかりの気がします。でも、まだまだスキートを指導している銃砲店さんも少数ながら頑張っています。指導とまではいかなくても、銃砲店さん主催の射撃大会にスキート部門があるところもあります。そんな中でちょっとの興味がある人、自動銃やポンプアクション銃を持っている人、掲示板やメールで相談してみてください。国体とか世界大会を目指している方もいかがでしょう、競争率は低いですよ。そして何よりスキートは楽しいです。向かってくるクレー、逃げていくクレー、頭上から飛び出すクレー、真横に飛ぶクレー、こんなに変化に富んだゲーム性の高い競技です、楽しくない訳がありません。まずは始めてみましょうよ。もし、つまらなくて止めてしまう時は、お使いのスキート銃を後進の為に格安で譲渡してやってください。