§8.所持許可申請
8-1.必要な書類
銃砲店さんから銃を購入する場合、所持許可申請書や譲渡承諾書は銃砲店で用意してくれると思います。また、個人売買でも銃砲店さんに必要書類や手続きなど伺えば、快く教えて頂けると思います。もし、銃を買うのに書類を用意してくれなかったり、アドバイスがもらえない銃砲店さんでしたら、そんなお店で銃を買うのは止めましょう。必要な書類は以下の通りですが、ほとんどが教習資格認定手続きと同じです。なお、各書類の部数は、所轄警察署や都道府県によって異なるかもしれません。
銃砲所持許可申請書 | 書式が決まっています。警察署や銃砲店で貰えます。 銃を購入する場合は銃砲店で作ってもらえます。 |
診断書 | 病院で作ってもらいます。所定の事項が記載されていないと不可です。 |
譲渡等承諾書 | 書式が決まっています。警察署や銃砲店で貰えます。 銃を購入する場合は銃砲店で作ってもらえます。 |
戸籍抄本 | 本人の記載があれば充分です。 |
住民票の写し | 省略の無いこと |
講習修了証明書の写し | コピーを提出。原本は提示のみ。 |
教習修了証明書 | 原本を提出(コピーで可の場合もあるそうです) |
経歴書 | 過去10年の事項を記載すること。 |
同居親族書 | 一緒に住んでいる人を記述する。 |
写真 | ライカ版。1〜2枚 |
印鑑 | 認印 |
申請手数料 | 9,000円(東京都の場合) |
個人売買の場合は、上記に加えて現所持者の所持許可証のコピー(写真のあるページと該当銃のページ)を貰っておきましょう。また、現所持者の所轄警察署もどこか確認しておきましょう。この2つは申請の際に確認されるかもしれません。
既にガンロッカー・装弾ロッカーを購入・設置済みであれば、それぞれの写真を撮っておき、、住居の間取図にロッカーの設置場所を記入して用意しておきましょう。これも申請または許可証交付の際に確認されるかもしれません。
8-2.申請から許可まで
私の場合(個人売買)は、事前に現所有者から銃の情報(所持許可証のコピー)を頂いておき、射撃教習終了後すぐに銃砲店さんでアドバイスを貰いながら用紙を貰って書類作成しました。そのまま車を走らせて所轄警察署へ飛び込み所持許可申請を受理して頂きました。所持許可申請の場合も教習資格認定手続きの時と同じように、調書のようなものを取られたり自宅等へ確認の連絡がある場合もあるようです。都道府県によっては、ガンロッカーや装弾ロッカーの設置状況を確認しに訪れることもあるようです。
所轄警察署で申請手続きをしたら、許可が下りるまでの期間は、概ね1ヶ月程度です。射撃教習から所持許可申請までの期間が短い場合、申請から許可までの期間が短縮されたり、一部書類が免除されたりすることもあるようです。この辺は申請手続きの際に、所轄警察署の係官に聞いてみましょう。この段階まできたら係官とはフレンドリーに話せる関係になっているでしょうから。
許可が下りるまでの期間は、用品を揃えたりして過ごすことにしましょう。特にベストやアクセサリー類は、サイズや色など好みが出ますし、輸入品を取り寄せる場合には期間も必要ですので。
8-3.許可が下りたら
許可が下りると所轄警察署から「取りに来て」という連絡があります。嬉しいです。受け取りに必要なものは、東京都では印鑑が必要です(受取証を提出するため)。許可証を受け取ったら、次は銃を受け取りに行きましょう。銃を受け取ったら14日以内に所轄警察署へ銃と許可証を持参して確認を受けましょう。この『確認』を済ませてからは、その銃の正式な所持者となり使用しても大丈夫です。確認を受ける前に使用することは出来ません。また、許可が下りてから3ヶ月以内にその銃を所持しないと、許可自体が無効となりますので注意しましょう。
私は個人売買だったので、許可証を受け取った当日に現所持者から銃を引き取りました。個人売買の場合は銃を引き取る際に現所持者に「譲受書」と所持許可証のコピーを渡します。そして現所持者から「譲渡書」を頂きます。で、所轄警察署で銃を確認して貰う際に現所持者から頂いた譲渡書をあわせて提示します。譲受書や譲渡書は決まった記載事項があるので、銃砲店さんで教えてもらうと良いでしょう。私は教えて貰おうとしたら、親切にも用紙を作ってくれました。
銃砲店さんから購入する際は、譲受書は不要です。銃砲店さんが作ってくれる譲渡書と銃を一緒にくれるはずですので、それを所轄警察署に持ち込んで確認して貰えば大丈夫です。
8-4.火薬(弾)も忘れずに
銃の許可が下り確認が済んだら、装弾(火薬)の申請も忘れずに行いましょう。射撃教習の際に許可されたものは、残数があっても射撃教習終了後(大抵は所持許可申請の際)に返却する必要があります。
申請手続きや費用は、射撃教習の際と変わりありません。提示する書類がちょっと異なります。許可される個数が増えます。最初は500〜1000個程度と思います。これも都道府県や所轄警察署によって異なるようです。実績(短期間で消費してしまう)があると許可される個数が増えていきます。また、国体に出るような選手になると、かなりの個数が許可されるそうです。
私の場合は500個と言われたのですが、射撃教習の時と変わらないじゃないですか、と我侭を言って(係官とフレンドリーな会話が出来るようになっていたので)1000個にして貰いました。所轄警察署の係官とは長い付き合いになるかもしれないので、フレンドリーな関係が築けるように努力しましょう。
猟銃用火薬類等譲受許可申請書 | 書式が決まっています。警察署や銃砲店で貰えます。 |
猟銃・空気銃 所持許可証 | 提示のみ |
印鑑 | 認印 |
申請手数料 | 2,400円。東京都の場合 |
8-5.さあ、初撃ちへ
許可が下りたら(銃を受け取ったら)、初撃ちの日程を決めましょう。銃砲店さんから購入したなら、銃砲店さんから「いつにします?」とアプローチがあるはずです。お言葉に甘えて付き添いをお願いしましょう。大抵の銃砲店さんは、射撃場で安全な銃の取り扱いを教えるところまでが価格の範囲、と思っているはずなので快く応じてくれるはずです。個人売買の場合は、その譲ってくれる方、紹介者や経験者に聞いてみましょう。それが無理なら装弾を買う銃砲店さんに頼んでみましょう。
もし、銃砲店さんがお願いしても応じてくれない場合は、こちらのようなクレー射撃関連のサイトの掲示板で泣きを入れてみましょう。きっと誰かが助けてくれます。ちなみに私もこのサイトの掲示板で知り合った方に初撃ちに同行をお願いしました。
初撃ちに付き添ってもらうことは、決して恥ずかしいことはありません。安全上必要なことなので、同行してくれる方を頑張って探しましょう。
8-6.終わりだけど始まり
私の所持許可への道程は、これで終了です。ここに至るまでの期間は、約5ヶ月を要しました。手続きに時間が掛かるので面倒臭いですが、ある種の危険物を所持することになるので、ある意味しょうがないでしょう。そのような厳しい管理下であるので日本の安全が保たれている、と私は考えるようにしました。
しかし、所持許可を得たのがゴールではありません。これでようやくクレー射撃を楽しめるのです。ようやくスタートラインに立った状態と思います。これから安全に気を付けてクレー射撃を楽しんでゆきたいと思っています。
この編は稿了です。