第4回
射撃を始めるぞ!教習射撃の実際編
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今回はいよいよ実弾を取り扱う教習射撃です、どきどき緊張のレポートです。

6.射撃教習

6-1.申し込み

教習資格認定証と猟銃用火薬類譲受許可証が入手できたら射撃教習の申し込みです。射撃教習の申し込みは、射撃教習を行っている射撃場に直接行っても構いませんし、銃砲店さんにお願いしても手配してくれるはずです。
教習射撃の開催は、いつでもやっているわけではありません。射撃場によっても異なりますが平日が多いようです。栃木のほうの射撃場では土日もやっているところがあるそうです。この辺は実際に射撃場に問い合わせて自分の予定の合う所を探しましょう。

銃砲店さんの中には教習射撃の指導員を行っている方もいらっしゃるので、このような方の場合はその人の都合と射撃場が了解すれば、いつでもOKなんていう場合もあります。
私の場合も、こちらのサイトを開設されている方(くろさん)の紹介で、茨城の銃砲店さんにお願いをしました。射撃場はSKB友部射撃場というところで自宅からかなりの距離があるのですが、マンツーマンでやってくれること、教習費用が安いこと、SKB射撃場は教習銃(射撃教習で使う銃で、これで実弾を発射します)が新しいと聞いたこと(これが後に苦労の原因となるのですが)から、遠いのを覚悟でお願いしました。

6-2.教習内容

射撃教習は銃の扱い方(分解・組み立て・安全な取扱)を教わった後、実際に教習銃を使って実弾を撃ちます。そして以下のような事項は行ってはいけません。これらの行為を行うと減点となり、減点が20点以上で不合格です。また、実射ではトラップは2以上、スキートは3以上の的中で合格です。射撃教習では安全な取扱と実射のふたつで合否が判断されます。なお、実射をどちらの競技で行うかは、射撃教習を行う方(指導員)に確認です。希望を聞いてくれる方もいますが、ほとんどがトラップだそうです。

1. 銃口を人のいる方向へ向けること
2. 発射するとき以外に、用心金の中に指を入れること(引金に指をかけること)
3. 猟銃を暴発させること
4. 発射するとき以外に、機関部を開放せず猟銃を携帯または銃架におくこと
5. 猟銃を手にした場合または射台を離れる場合に実包(装弾)が装てんされているかどうか確認を怠ること
6. 射台以外の場所で実包を装てんすること
7. 実包を装てんしたまま射台を離れること
8. 発射の時期を著しく失し、または標的の方向と著しく異なる方向に発射すること

教習資格認定証が頂けたらすぐにくろさんに連絡をとって射撃教習を申し込みました。くろさんから銃砲店さんへ連絡して頂いたのですが、その後に自分からも連絡を入れ挨拶と当日必要なものを確認しました。当日必要なものは以下の通りです。
教習資格認定証 警察署(公安委員会)から交付された認定証です
猟銃用火薬類譲受許可証 同じく警察署で交付してもらったもの、事前に装弾を買っても持っていたほうが無難
装弾 射撃場でも売っています、私は当日銃砲店で買いました
印鑑 申込書に捺印します
教習費用 射撃場によって異なりますが25,000円〜35,000円(装弾費用は除く)
射撃ベスト 射撃場によっては貸してくれます
イヤープロテクター 射撃場によっては使いません

私の場合は、射撃ベストは自分のものを使用しました。私は人間が薄っぺらいので、普通のサイズだと多き過ぎて射撃できないほど余裕がありましたので。イヤープロテクター(または耳栓)は、指導員の指示が聞こえないということで使いませんでした。
また、装弾は事前に購入しても良いのですが、自宅に保管するためには装弾ロッカーが必要となるので、当日に銃砲店さんか射撃場で購入したほうが安全面からも良いでしょう。私は教習当日にお願いした銃砲店で購入しましたが、国産の某装弾で、75発で3,000円でした。

6-3.教習当日

射撃教習の当日、朝8:30に銃砲店さんへ集合ということだったのですが、私にとって茨城は未知の世界だった為、かなり早く自宅を出発しました。勿論、日の出前です。その結果、早すぎた到着で高速途中のSAで買った焼きたてパンをかじりながら車の中で待つ羽目に。(*_*)
8:00くらいに銃砲店さんが開いて張り込み状態から開放され、店内でお茶を頂きながら射撃教習の説明を受けました。射撃教習は銃砲店の社長さん直々に行ってくれるとのこと。装弾を購入した後、社長さんのお車で射撃場(SKB友部射撃場)へ行きました。道中の車の中では、銃を持ってやってはいけないこと(上の1〜8です)をひとつひとつ丁寧に説明して頂き、『的中よりも安全が大事』とのことでした。これは所持許可を得た後も肝に銘じておきたい言葉です。

射撃場についた後、まずは教室に入って座学です。銃の各部の説明や取扱(分解・組み立て)について、トラップやスキートの説明を受けました。その次に実際に銃を使っての講習です。分解・組み立て・ガタや不良の確認方法やチェックポイントを実銃を使って説明を受け、また自分でもやってみます。私の使った教習銃は、SKB5100というモデルのトラップ銃でした。SKBの射撃専用銃の中では普及価格帯に属するモデルで、初心者にはお薦めのモデルだそうです(受け売り)。引金は脱着式になっていてメンテナンスもやりやすそうなモデルでした。で、この教習銃が最近入れ替わって新しいらしく、ガタが来ていないので組み立ての際になかなか上手く行きません。射撃教習で使用する教習銃(上下二連銃)は、多少ガタが来ていて銃身と機関部(引金が付いている部分)のはめ込みが緩い場合が多いらしいのです。ガタが少ないときちっと位置あわせをしないと組み上げられません。でも、自分の銃も新品を購入したら同じような状態なので、教習の際にきちっと教わったほうが良いです。
散弾銃 射撃教本 ★初心者用 座学で使用するテキストです。銃の取扱や射撃の基礎が解説されています。
飛行標的射撃 実習教本 基本的な射撃技術と競技の説明が記載されています。
飛行標的射撃 実習教本 こちらは古い版です。もしこれが渡されたら新しい版と交換してもらいましょう。この版ではダブルトラップがが解説されていません

分解・組み立てが終わったら、銃の構えを教わりました。照星(銃口の真上に付いている目印)と自分の目(右撃ちなら右目)が一直線になり、頬に銃床がぴったり付くのが正しい構えです。これがなかなか難しく、顔が斜めになってずれたり、頬と銃床が離れたりしてしまいます。しかし、構えが悪いと当たらないか成績が伸びないので、基本をきっちり教わっておいたほうが良いそうです。それにしてもただ持っているとそんなに重く感じない銃が、構えた状態で暫くするとズッシリと重たく感じてきます。普段使わない筋肉を使っているようです。社長曰く、スキートでもトラップでも自宅で構えの練習をすべきだそうです。無意識に構えられるくらいに、銃を扱えるようになると的中は自然とついてくるそうです。

教室での一連の講義・実習の後には、待ちに待った実弾を用いた射撃です。私はトラップでした。射場に出て見ると、既に撃っているお客さんがいるのでまずは見学。クレーが飛び出す速度は練習用とのことですが、それでもあっという間に向いの崖まで飛んでいきます。実際の競技では、クレーが3方向(ストレート、右斜め、左斜め)に飛び出しますが、射撃教習ではストレートのみです。じゃあ簡単かというと大違いで、ストレートでも微妙に左右どちらかに偏り、高さも異なります。ストレートだと甘く見て早めに銃口を動かすと、あとでずれを修正しなくてはならず当たりません。しっかりとクレーが飛び出す方向を確認して、銃口を動かすくらいで良いそうです(社長談)。
最初に弾を5発持って1番射台へ。実際の競技と異なり、射撃教習では1射台5発ずつ、5射台で25発撃って1ラウンドでした。また競技では1枚のクレーに2発撃てますが、射撃教習では1発のみでした。まずはクレーを飛ばさないで撃ってみます。イヤープロテクターをしていない耳に「キーン」と響く音とともに肩にずしんと衝撃が来ました。でも、思ったほどの衝撃でもなく(装弾の種類によっても異なるらしいが)、これなら何とか撃てそうだと思える程度でした。しかし、最初のラウンドは緊張しているのが自分でも判るくらいでした。何せ出割れ(クレーが飛び出した衝撃で割れてしまうこと、通常は無料で打ち直し)を気が付かずに、割れたクレーを打ち落としていました(当てているところが素晴らしい、自画自賛)。緊張の中で最初の1ラウンド(25発)が終わり、結果は○枚(内緒です、勿論1桁)でした。休憩を挟んで、もう1ラウンド練習を行いました。結果は△枚。次はいよいよ考査(試験)です。

○枚→△枚と来たので、次は×枚ですね〜、なんて他のお客さんと冗談を飛ばしながら挑んだ考査は、本当に×枚で冗談じゃなくなってしまいました。×枚が何枚であるかは内緒です。実射で的中が規定の枚数(トラップ2、スキート3)に達しなかった場合は再考査(実射のやり直し)となります。私も危なくて、また弾を買わなきゃならないかな〜、なんて考えながら撃っていました(だからあんな成績なんだ)。私がほっとしている反面、こんな成績で今後大丈夫かと心配していたら、考査を見ていたお客さんが「僕は合格までに125発撃ったよ、でも今の成績は平均して8割、だから大丈夫」と慰めてくれました。実射の成績が悪くても問題ないようです。それより当たらないことを恥ずかしがって練習しないことのほうが良くないと教習を行ってくれた社長に言われました。これも肝に銘じたい言葉です。


銃選び編へ続く