● おとうの公式参戦記
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第29矢:「いざ出陣,出羽の國へ,天下一決定戦! 2の巻」
 さあ全日本選手権ダブルトラップの競技が開始となります。ちゃんと1射団6人いますから時間になるとワラワラと選手が集まってきます。あたりまえですが何せホラ4人以上で撃つダブルトラップは初めてなもので・・・なんか人数が多いと落ち着きませんな。
さて,第1組の主だった方々を紹介しましょう。(:すいません,あまり多くの方のことをご存じないので紹介していない方ごめんなさい)
3番射手:福岡県のO上選手,ダブルトラップは常連さんでしたよね。4番射手:神奈川県のS選手,いつもお世話になっております。6番射手:滋賀県のK岡選手,昨年度全日本選手権トラップの覇者です!このような方とプレイできて光栄ですね!一緒にやりながらできればこのお三方のプレイには注目したいものです。

Aセットでの第1ラウンド開始です。自分なりに決めたAセットの攻略法?を頭の中で復習し,さあ注目の第1射は!パンパ〜ン!おっどうにか「1・0」です。ダブルがとれなかったのは残念ですが,前回の出だしよりかは良いでしょう。このまま初矢ははずさずたまにはダブルを決めていきたいものです!続けてパンパ〜ン!また「1・0」です。・・・あ,ダブル抜きです。またダブル抜き・・・悪い病気が出てきたようです・・・気が付くと腕や足がこわばっています。心なしかやはり手先に震えが残っているような・・・初参戦本部公式ほどの緊張は意識していなかったのですが,全日本という舞台,おとうのような小心者?(本当か?)にはやはり平常心で臨むことはまだまだ無理があるようです。それでも気を取り直し,ひたすら自分で考えたことを反復しながら一射一射に集中します。でも・・・結果は17枚。自己最低記録を更新してしまいました。もしかすると栄えある全日本選手権ダブルトラップ種目の中で最低新記録を作ってしまったかもしれません。でもまあしょうがないです。やっちまったもんはやっちまったもんです。早く気持ちを切り替えて次の第2ラウンド・Bセットに臨まなければなりません。終わったことはさっさと忘れてその場を後にします。

 1組目が終わり2組目の方々とバトンタッチです。普通はここで副審さんやスコア係などを交代でやるのでしょうが,さすが全日本選手権です。すべて役員さんがやってくれます。おとうは気持ちの切り替えの意味を含めてじっくりと2組目の方々の射撃を見たいと思います。見ることが今回の大きな目的でもあるわけですからね!2組目の方のAセットのクレーパターンです。

では,第2組の主だった方々を紹介しましょう。1番射手:神奈川県のT岡選手,列強の國神奈川のダブルトラップの常連さんです。以前T木公式でお見かけしたかな?4番射手:神奈川県のI上選手,泣く子も黙るアテネ五輪5位入賞の名実共に今の日本のNo.1ですね!6番射手:京都府のF上選手,ダブルトラップの若手No.1の実力者の方ですね!いや〜,勢いで第1ラウンドはたんたんと撃ち終えてしまったけど,よく考えたらものすごくお上手な方達の中によくぞ恥ずかしげもなく撃っていたもんですな〜,自分に感心感心。さてまず目に付いたのは大方の選手の銃の構える高さでしょうか?以前もアテネの録画やS選手との練習などの際に気になっていたのですが,やはりこれだけ皆さんが並んだ中でみるとより際だって感じます。概ね銃が地面に平行になるほどの高さに銃口を構えていると感じられます。


I上選手の構え


T岡選手の構え

少なくとも放出口近くに銃口を下ろしている方はほとんど見受けられません。やはりこの点は今後のポイントとして十分に考えておきたいと思います。全体的にはやはりT岡選手,I上選手,F上選手が目立って安定しているように感じますね!しかしこれだけ多くのクレーが短時間に木っ端みじんになっていくのも凄いですよね!ものの20分位で300枚のクレーが飛んでいくのですから!爽快爽快,これぞダブルトラップの醍醐味ですな!(注,自分はあまり木っ端みじんにする方には関与していない・・・)

 あれやこれや見る角度を変えて,射台の後ろを右に左に動き回りながら観戦です。観戦に夢中になっているところを後ろから面白がってJMに激写されておりました。

2組目がもうすぐ1R終了という頃には速やかに1組目の第2ラウンド・Bセットが開始できるように,おとうも準備に入ります。もちろん心の準備や撃ち方のチェックなどです。ここでちょっと考えます。さて,どうせ全日本は勉強に来た意味が強いのだからいろいろと目に付いた点を押さえながらプレイしても良いかな?どうせ1ラウンド目にものすごい記録?を作ったのだから今更おそれることは何もない,いろいろと試してみよう!ということになりました。これまでの自分のBセットプランに合わせ,まずは高い位置での銃口の構えをトライしてみます。射台によってはもともと高めに構えることも意識していたのですが,他のところでもチェックしてみます。プレイしながら気が付きましたが,自分がこういう風に練習として没頭していると不思議と気持ちの変な高揚が押さえられてくるようです。1ラウンド目を撃ったときと比べ,明らかに自分の落ち着きがあることがわかりました。試合として構えると震えが来るのに練習と割り切れば落ち着いてくる。人間とは不思議なものですね!こういう気持ちの持ち方も追々はつめていきたいものです。さて,妙に練習要素に意識が集中したため,自分がどこでどういう結果を出していたかはラウンド終了まで気が付きませんでした。Bセットの結果は26枚,まあまあでしょうか?とりあえず5割が超えて良かったです。イメージ的にはまだ当てられる!という気持ちが持てたのが今後につなげられそうな気がします。

さて,この練習ラウンド?も同時に学習ラウンドとして他の選手のプレイも多少意識してみました。S選手は以前拝見させていただいたので,今回はカラフルな銃でお馴染みのK岡選手に注目!K岡選手は膝を上手に使って大きな大きな大きな躰をコンパクトに沈め,下から狙いあげるようなイメージで撃たれているようにおとうの目には映ります。間違いなく自分には出来ない射方ですが,下半身の安定感は目を見張るモノがあります。そしてこの安定から来るモノか,二の矢の早いこと早いこと!ダブルで飛んでいるクレーを正確に同時に認識し,一度に撃ち落とすがごとき勢いです。見ていて気持ちがいいですね!

 さて,射団が入れ替わって2組の第2ラウンドスタートです。今度はクレーの撃つ順番に注目してみました。この後拝見したCセットでのプレイでも同様でしたが,今回の参加者で二枚のクレーの近い方から取る方は一人もおらず,ABCセットとも皆さん遠いクレーから捕らえています。ABの3番は真っ直ぐのクレーから撃つ方と左右のクレーから撃つ方の両方がいらっしゃり,これはお好みで良いようですね。ねらいは常にセオリー通りセットに関係なく遠い方から落としていく!っていうのがやはり定説なようです。(写真15:FainalでのCセットI上選手の一射,遠い右から落としています)かつ銃口の動きはとにかく最小限という感じですね!I上選手の筒先は動いていないと言うのはウソですが,他の方と比べて最小限に押さえられているという印象を強く受けます。先のAセットでの注目点と合わせると,高めに構えた筒先を斜め(といってもイメージ的には横にかな?)ちょっと振る,って感じに見えます。ですから銃口が下方を向くことがない?って感じに見受けられます。どうしたらあのようにできるのでしょう?次の3ラウンド目は一番2枚のクレーが離れるCセットなので,同じような練習はできませんが,同じイメージを持って練習(試合だっちゅう〜の!)を心がけるようにしましょう。
 ということで,3ラウンド目Cセットに臨むに当たり,これまでの今日のポイントを押さえ,改めて注意点をまとめてみます。まずは初矢の撃破を最優先で考え,最初に落とす方のクレー(常に遠い方)に注目します。他の人の射撃の時のクレーの軌道をじっくりと見て,自分が次の射台で撃つ初矢クレーの出所とラインを目に焼き付けます。ジュ〜!アチチチチッ!それこそ線としてイメージできるほどに強く注目するのです。(もうこの時点でもう二の矢クレーはとりあえず無視します!)イメージしてできたクレーの飛翔ラインをトレースして銃身が平行に構えられるほどの高さに最初に銃を構えます。初矢はこのまま(又はチョットだけライントレースして)1枚目のクレーを撃破!二の矢は初矢の撃破点から自然に野生の勘で撃破することとします。(理論の詰めが甘いですな!)この方法だと,バックナンバーにゴチャゴチャ書いたようなまどろっこしい各セット・各射台毎の注意点にとらわれることなく,単純に各セット・射台に同じ注意点で望めるというのが最大の利点となると思います。さあ最後のCセットはこれで臨みます!
 実際に撃ち始めると,初矢クレーのラインのイメージは大変効果的に感じます。特に初矢のみに限定して集中するため,トレースラインはより明確にイメージできます。これで1枚目をはずすのは単純に自分の腕と経験のせいとハッキリ言いきって良いでしょう!(本当か〜?)また,二の矢への移動がコンパクトにできているような感触もあります。(ウソ臭いな)正直,1枚を落とす時点まで二枚目に対する意識はあまりないのですが,不器用なおとうにはむしろこれくらいの方が良いのかもしれません。このままどんどん練習を続けてやっていきたい!もっと感触をつかみたいってところでCセット終了です。かろうじて撃ち上げの形となり27枚。これも何とか5割突破となりました。(レベル低いね)3ラウンドが終了し,おとうの今年度の全日本選手権チャレンジは幕を下ろしました。
 自分にとっての全日本が終わってしまった・・・という虚脱感と,十分な結果が出せなかったという悔しい思い,そして何かがつかめたような気がする!という達成感?のようなものが入り交じった複雑な気持ちで射面を離れます。応援?してくれていたJM&Moon両氏のもとへ戻ります。結局ABC3ラウンドの合計は70点という前回の点数をさらに下回る結果に・・・出だしの17点が効いてますね〜。

でもね,今回は点数は問題外ですよ!前回の二本松の点数は正直ほとんどがまぐれ当たり!自分で何をどうして良いかわからないほどのパニック状態?の中で偶然でた数字です。でも今回は自分なりに工夫して,当たるにしても外れるにしても自分なりに納得した上での結果です。意味が違いますね!今回の結果・経験は絶対に自分の肥やしになると確信しています。芽が出て花が咲いて実がなるまでにどれだけ時間がかかるかわかりませんが,それまで頑張りたいです!(その前に根腐れして枯れるかもしれませんね・・・)へこたれませんよ〜!おとうは常に明日を見つめているのです!


明日は〜どぉっちだ〜〜fromあしたのジョー

放心状態になってるわけではありません!