● おとうの公式参戦記
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第17矢:「決戦!二本松の激闘,本部公式夏の陣 3の巻」
 いよいよ9時になりました。Aセットの第1ラウンドがスタートです。緊張が高まっていくのがわかります。バクバクです。アドレナリンが耳から溢れてきそうです。(そんな事は普通の人間にはできない)記念すべき第1射は是非ともクレーを捕らえたいものです!まず第1射手のI選手が撃ちます!きれいに2枚のクレーを撃破!いよいよ2番射手おとうです!ア〜!気の抜けたコールをしてクレーを待ちます!あれっ,クレー出てこない・・・・あっタイマーかかってるんだった・・・っと思った瞬間2枚のクレーが飛びます。大緊張のあまりタイマーの存在を100%忘れておりました・・・こんなもん当たるわけがありません。タイマーあるのわかってたって当たらないのに・・・記念すべき公式ダブルトラップ第1射はパフパフッ!ダブル抜きでした・・・悲しい・・・さあ出鼻をくじくともう後は坂道,いや崖を転がり落ちるようなものです。当たらない・・・当たらない・・・当たらない・・・正直2枚のクレーはこの上なく良く見えております。(これが良くないのかな?)風もあまりありません。クレーの軌道も各射台毎にほぼ自分のイメージ通りに飛んでます。でも当たらないんです。なぜか・・・銃が自分の意志に反してあさっての方向に振られているんです。クレーの軌道と違うんです。引き金のタイミングなど壊滅的です。手がつけられません。明らかに目で捕らえた信号と体の反応がリンクしていません。たまにダブルがとれたりしますが圧倒的にダブル抜きが多いです。何より初矢がとれないのではスコアが伸びようもありません。3人でのプレイですので進行は早いです。9時15分に第1ラウンド終了です。ふうふうになりながらの第1ラウンドは23枚,無惨です・・・ちなみにI選手は44枚,S選手は41枚とお二人とも軽く8割をお撃ちになります。もうこの時点でダブルスコアゲームとなっております。
 20分くらい間とりましょうか,って感じで休憩時間です。すでにヘロヘロになりつつ車に戻り,飲み物などをとって一息。おやっ,腕が振るえている。心なしか足下も・・・体が思い通りに動かないわけですね・・・こればっかりは慣れるしかないのでしょうがないです。2ラウンド目で吹っ切れることを期待するしかないですね。心なしか先日の尿管結石の痛みがぶり返してきたようにも感じます。腰の鈍痛が気になります。9時35分になりました。Bセットの第2ラウンドのスタートです。さあ,射台に立ちます!いかん,まだダメみたいだ・・・構えた腕に明らかに妙な力が入っている・・・いやいやまだまだラウンドは始まったばかりだ!きっと途中で吹っ切れるさ!・・・・約15分経過・・・・吹っ切れませんでした。さらに崖下に落ちる20枚。もはやうすら笑いすら出てきます。次はCセットの3ラウンド目です。せっかく来たのに全く自分の満足できない射撃で終わらせるのは悔しい!スコアに反映できなくても会心の一撃を出したい!これだけを考えて望むことにしました。実は次のCセット,あまり得意ではありません。(じゃ〜AとBは得意なのかい!ってツっこまれると困ります)
 自分も自分なりに真剣にプレイしていますので,じっくりと拝見という訳にはいきませんが,間近でDT選手の本気の射撃を見る機会はやはり勉強になります。ここまでの2ラウンドだけを見ても,少なくとも自分のクレーの捕らえ所と違うのは一発でわかります。I選手の一射一射はとにかく一枚目を捕らえるのが早いです。かつ捕らえどころが一定で,安心してみていられます。もう一点特に感じたのはその集中力です。射撃時のI選手には近寄りがたいオーラを感じます。(まあ撃つときに射手に近寄るヤツはいないと思いますが・・・)同一射団という近距離でこういう雰囲気を味わう機会は今回が初めてでしたので,ある意味では衝撃的でした。S選手はI選手に比べるとやや飛ばし気味に感じますが,それでもおとうのそれよりかはやはり早く捕らえ,時として2枚目はじっくりと当てにいっているようです。えらそうに書いていますが実は的はずれなことを書いているかもしれません。的確な表現ができずに申し訳ありません。正直これからおとうがどれだけ精進してもI選手のスタイルをとっていくのは難しい気がします。でもできるかぎりの精進はしたいものです。本当はダブルトラップのエントリーが決まったら,ネット上でいろいろな射撃の相談板等を開設されている某有名銃砲店の日本を代表するDT選手の方にご挨拶奉り,ちょっとしたアドバイスを頂こうかとも考えていたのですが,ほれ例のハガキ届かない事件で参加確定が直前となり,何かタイミングを逸して結局何もできずに当日を迎えてしまったんですよね〜。またの機会に書き込み相談してみようっと!
 10時10分,Cセットスタートです。初めて1射目でクレーを捕らえました・・・前の2ラウンドよりかは多少体が動くようになってきました。会心とは言いませんが,多少感じよくダブルがとれる時も出てきました。(って,ダブルトラップやってるのにダブルとれないんじゃ意味ないんだけどね)途中で29枚となり,よしこれならどう撃ったって少なくとも30は超えるだろうと思ったときから悪夢が・・・・その後全てをハズしきりました・・・悲しい・・・その昔,JM仙人に言われた言葉が頭の中でこだましました。「スコアは撃ち終わってなんぼだよ…,なんぼだよ…,ぼだよ…,だよ…,ダヨ…〜」仙人のお言葉を痛感するラウンドでした。あそこまでハズしきれるとは・・・・でも泣いても笑っても予選ラウンドはこれで終了です。この時点のスコアで1位:I選手133点,2位:S選手116点,最下位:おとう選手72点です。ちなみに皆さん3ラウンドのスコアです。おとうだけ2ラウンドってわけではありません。
 ファイナルは10時45分からという事になりました。泣いても笑っても最後です。悔いの残らないファイナルラウンドにしたいです。そういえばファイナルはパウダークレーを使うと聞いています。初めてのパウダーです。楽しみです。1発も当たらなかったら悲しいです。そうなるととてもがっかりなので最後の最後にもう一度○秘メモを見て対策を復習です。ふむふむ言いながらメモを見ていたらS選手が「おとうたまのもゼッケン用意していますよ〜」と声をかけて来てくれました。えっ,ゼッケン?なんで今更ゼッケンなの?と頭に?マークを浮かべながら本部に行くと,「3」と書いたゼッケンに「T木県・おとうたま」とマジックで書いております。どうもファイナル出場時には予選順位,所属,名前入りのゼッケンを背中に背負ってのプレイとなるようです。そうか,ファイナルはこんな所も違うのか〜〜。場違いな男には全てが目新しいばかりです。安全ピンでいそいそとベストの背中にゼッケンをとめます。と,射場に放送が響きます。ただ今よりダブルトラップファイナルが開催されますとのアナウンスが流れ,隣の射面でのトラップの方々の練習も一時休止となります。練習していた方々もギャラリーとして集まってきます。明らかに予選ラウンドとは雰囲気が変わってきました。ファイナルはまず選手,審判員等が一列に並び,紹介されます。審判○○さん,○○さん,・・・,続いて予選1位I選手133点,予選2位S選手116点,予選3位おとう選手72点,と選手紹介です。まさかスコア付きで紹介されるとは思っておりませんでした・・・・紹介が終わると記念撮影です。きっと日クレのHPなどでこの写真をご覧になれるでしょう。撮影が終わるといよいよプレイ開始です!バクバクになりそうな気持ちを押さえ込み,意気込みよろしくイの一番に3番射台に立ち,シャドーシューティングで気合いをいれます。でもこれが最大の過ちでした・・・・
 そう,ファイナルラウンドでは射順が成績悪いもの順になるのをきれいに忘れ,3番のゼッケン付けてるのにどうどうと2番目のS選手の射台で銃構えて準備していたのです。なんとなく違和感を感じ,ハッと気づいて慌てて1番射台に移ったものの,浮き足だったおとうの緊張はこの日のマキシマムを記録いたしました。もうシリの穴からもアドレナリンが出てしまいそうです。(それはきっと違うものだ・・・)何かがもれようがもう試合は始まります。最初にセットのチェックをするため第1射手のみ空コールで1組だけお皿を飛ばすのですが,これも審判さんに即されてようやく気がつく始末。いろいろとご迷惑かけまくりです。(その節は大変お手数をおかけしました。多謝!)プレイ開始で運命のパウダークレーの最初の1組が飛びます!パフパフッ!またもやダブル抜きです,最低のスタートダッシュです。続いてS選手,何回かノーバードの後1枚だけハズします。I選手,ノーバード,ノーバード,またノーバード・・・どうも放出機の不良のようです。ちょっと休憩で機器調整となりました。どうせならおとうの時になってほしかったです・・・結局ファイナルはこの後も何回もの放出機トラブルに見舞われて11時30分頃から再スタートとなりました。この日に用意されたパウダークレーはとにかく放出機に詰まるってことでファイナルもノーマルクレーでのプレイに変更です。再スタートと言ってももちろんI選手からの再スタートです。おとうのダブル失中はそのまま記録されております。最初に飛ばした分だけはパウダーだったのにダブル抜きしてしまって結局1枚も粉を散らせなかったのがとても悔しいです!長い長い中断があったものの,垂れ流しになってしまったアドレナリンは止めようがありません。これほど射撃で緊張したのは初めてです。教習射撃でさえもっとリラックスしていたのに・・・ここまでイってしまったのは中学の入学式で全校生徒(中高一貫約2000人)の前で新入生代表の挨拶を仰せつかった際に,徹夜で覚えた原稿用紙3枚分の挨拶を最初と最後の1行づつしか思い出せなくなってしまった時以来です。(あの頃はかわいかったのよ・・・)あとは何が何やらわかりません。気がついたら最後の一巡となっておりました。最終射撃をするI選手のプレイ終了後,拍手で優勝をたたえることだけはしっかりとやりたいと思い,自分の最終射撃(これもダブル失中でした)終了後に銃を肩に掛けてI選手の最後の二花が咲くのを待ちます。パンパ〜ン!堂々の44枚です。終了と同時に周りの皆さんから拍手喝采です!もちろんおとうも心からお祝いです!I選手にはおめでとうございます!という一言,そしてS選手と審判員さん達にはありがとうございました!という一言をはっきりと伝え,競技は終了いたしました。正直この瞬間はやっと終わったという安堵の気持ちで一杯でした・・・最終成績を正直に紹介しましょう!