2018.06.20 PAGE 01

KURO'S PHOTO DIARY

KUROの写真日記



紫陽花がきれいですねえ、トイレの裏に咲いてるんですが(笑)

さて、これはランスキーのシャープニングシステムです。簡単に言えばだれでも上手にナイフが砥げる砥石のセットです。

で、なんでこれを持ち出してきたのかといえば、銃砲店なんかで買ったのはよいけれど、使い方を間違っている人が殆どなので正しい使い方を説明しようと思ったんですよ。

実際にはこのようにちゃんとした説明が書いてあるんですが、YouTubeみてもほとんどの人が間違って説明しちゃってるんで(笑)

最近のアウトドアブームで、お高いナイフを自分で砥いでる人が増えたんですが、なぜか皆さんお高い水砥石のセットを買っちゃって、カミソリみたいな鋭角な刃をつけて鏡面みたいに仕上げるのが偉いってなっちゃってますが、大馬鹿です(笑)そんなカミソリみたいな刃を付けてフィールドでなにが出来るんだよ、ということで、我々としてはあくまでサバイバーやハンターに向いたざっくりとした仕上がりでやっていこうねって話なんですね。

さて、ランスキーのセットには5本の砥石が入っているこのデラックスセットと、3本の砥石が入っているスタンダードセットがあります。さらに砥石もこの合成砥石の物とダイヤモンド砥石の物があります。

では実際に使い方を説明しますね。まずケースから取り出すのはアルミで出来たT字形のナイフホルダーです。

このナイフクランプですが、これもYouTubeではまともに設定出来ていない人が目立ちます。正しい使い方はまずドライバーでご覧のネジを緩めます。

で、ナイフをこのように挟んだらまず指先かドライバーでこのネジを締めます。これは軽く回していって指で締められなくなったらそこでこのネジを締めるのはおしまい。

続いてこの赤のツマミのネジを締めていきナイフの刃をしっかりと固定します。なお、薄刃の小さいナイフの場合はナイフを挟むクランプに段差があるので、その段差に当てて固定して下さい。

写真のようなナイフの場合はこの程度は噛み込むようにしますが、あまり深く固定すると砥ぐ時に砥石がクランプに当たっちゃうので当たらない深さで固定して下さい。

続いて砥石のセットアップを行います。これはまず砥石についている蝶ネジを緩めて、ケースに同梱されているロッドを写真のように砥石麺側から穴に差し込みます。

ここでテーブルなど平らな麺に砥石面を下に置いて、ロッドと砥石面が同じ高さになるようにして。

ネジを締めて固定します。

このように砥石面とロッドが段差無くつながった状態ならOKです。

ロッドと砥石が直線なっているようにセットすることも大事です。もしロッドが曲がっていたらこの時点で修正します。

今回は一番粗い大粗砥石(黒ハンドルLS70)は使わずに粗砥石(赤ハンドルLS120)から砥いでいきます。大粗は刃こぼれがひどかったり刃がまともについて居ない場合にざっくりと整形するための砥石で、これで砥いでも刃は付きません。さて、この砥石はオイルストーンなので砥ぐ前にオイルストーン用の研磨オイルを塗布する必要があります。これもネットでは塗らないで砥げって嘘が蔓延していますが、オイルストーンなんでちゃんとオイルを塗って使って下さいね。

ナイフクランプには数字の書いてある穴が上下対象に開けられています。この穴の横の数字は刃をつける角度です。一番下はカミソリやペティナイフなどの薄刃で鋭利な刃物用です。角度は17度です。次が洋包丁などで角度は20度です。その次がハンティングナイフやサバイバルナイフ用で角度は25度です。最後はブッチャーナイフやバドニングなども行うナイフ用で、角度は30度です。

今回砥ぐのはサバイバル用のナイフなのでロッドを25度の穴に差し込みます。ここで穴にもオイルを数滴垂らして摩擦を防ぐようにしましょう。

では研ぎ始めます。このように砥石のハンドルを掴んで「手前から奥に向かって」砥ぎます。この動作をハの字を描くように押して砥いだら砥石を刃から話して手前に引き、それをハの字を描くように繰り返して全体を砥いで行きます。

このようにガイドロッドがあるので適切な角度で砥ぐことが出来ます。

ある程度砥いだら今度はクランプをナイフを固定したま裏返して、裏の同じ角度の穴にロッドを通して裏面も砥いでいきます。基本は裏表ほぼ同じ回数で研ぎます。粗砥石(赤ハンドルLS120)はガリガリという抵抗感を感じると思いますが、1回で削れる量が多いので削りすぎに注意して、砥石全体を使って刃全体を均一に砥いでいくようにして下さい。

使い終わった砥石はオイルで汚れを拭き取っておきます。

次は中粗砥石(緑ハンドル、LS280)で研ぎます。通常はこの砥石から研ぎ始めるか、刃の痛みが少ない場合は、この上の細粗砥石(青ハンドル、LS600)で砥ぐようにします。

これにもオイルを塗ります。

最初と同じよう砥いで行きます。

砥石は粗いものほど1回に削れる量が多くなりますので、この中粗砥石までは特に研ぎすぎに注意して下さい。

続いて細粗砥石(青ハンドル、LS600)で仕上げて行きます。

ロッドは正しく取り付けられているか確認しましょうね。

仕上げ砥ぎの細粗砥石(青ハンドル、LS600)は中粗砥石に比べて砥ぐ時の抵抗感が少ないので砥ぐ回数はおおくなりますが、刃の付き具合を確認しながら砥いで下さいね。

刃全体を同じペースで砥いでいきます。

裏返して反対側も同様に砥ぎます。片側ばかり砥ぐと返しが出てきますので爪で引っかかりがないか確認しながら、両側を交互に同じ回数砥いで行きます。中粗砥石で出来た細かい線傷が無くなれば仕上げ砥ぎは完了です。

今回は普段は使わない微粗砥石(黄色ハンドル LS1000)も使ってみます。この番手では刃の研磨面が鏡のようになるまで研磨しますが、通常の用途ではそんな手間はかける必要はないので普段は使ってません。

これもオイルで拭いてお掃除してから仕舞います。

研いだ刃をお掃除します。

ちゃんと研げているのでマイクロベベルがはっきりと判ります。なおマニアな人はこういった小刃(セカンドベベルまたはマイクロベベル)をつける研ぎ方を頭から馬鹿にして嫌って居ますが、彼らの絶賛するコンベックスグラインドは斧などを除けば砥ぎにくさが現場向きではありませんから(笑)我々はナイフを砥ぐのが目的ではなく、あくまでナイフを使うのが目的なので余計な手間を掛けて自己満足に浸る必要は無いんですね。このあたりはダッジオーブンを持ってきても、料理している時間より手入れしている時間の方が長いマニアと同じパターンですね。

次はこのオールドヒッコリーを砥いでみます。

使うのはこの3本。

これは料理用ナイフなので20度で研いてみます。

シャカシャカ研いでいます。

今度は中研ぎ。

これもお掃除して仕舞います。

仕上げ砥もお掃除します。

ケースに戻して作業完了です。

こんな感じに研げました。

ま、普段はもっと簡易なランスキーのシャープナーを現場では使っていますから、いずれそれも使い方を紹介しますね。

とにかくだれでも上手に砥げるこのシステムはなかなか便利でしょ。

ま、ナイフマニアな人にはそんな物使ってるのかって毎回笑われますが、先程も書いたけどクソ高い砥石で何時間も掛けて鋭利だけど刃持ちの悪いナイフを作るほど暇人じゃないんで(笑)

さて、説明も終わったんでお買い物。

半額のお刺身で晩ごはんにしますね。