あんまり眠かったんでパーキングで窓全開で昼寝しました。で、小腹が減ったんでざる蕎麦330円と。
100円のまいたけ天ぷらで早めの晩ご飯。
パーキングにも緑のカーテン。
クロさんも少しお散歩。
水分補給もね。
ここで簡易線量計であるRADEX RD1503を取り出して線量測定。やはり草地は高めの値が出ています。もしこの場所に1年立ってる(またはテントで暮らす)とすれば年間3ミリシーベルトの被爆量になっちゃいます。ところでこうやって使ってる携帯型のガイガーミューラー管型の携帯線量計をおもちゃ扱いして、高い値がでてもアテにならないってな論調が大手メディアにちょくちょく現れるようになりました。また、測り方もわかんないで、高いの低いの騒いです方もよーく見かけます。で、こういった機器はどの程度あてになるのか、どうやって使うのが正しいのかを考えてみます。
とりあえず、現在の線量ぐらいでは表示はどの程度正しいのかを考えるために、常時測定値を公開している研究機関の付近で測定してみるために、最初に産総研に向かいます。
ではでは、放射線の種類と測定についてのお話。放射線にはアルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線などの種類があり、このうちアルファ線とベータ線が質量のある粒子線、ガンマ線やエックス線が光や電波と同じ仲間の電磁波に分けられます。ガンマ線は電磁波ですが電離性があるので電離性放射線、光は電離性がないので非電理性放射線と同じ電磁波とはいえ区別しています。
さて、陽子と中性子で出来てるアルファ粒子は電離作用が大変強いのですが紙一枚で遮断され空気中での到達距離も数センチ、電子であるベータ線(陽電子の物もある)も電離作用は比較的強いのですがアルミ板で遮断されてしまい到達距離も1.5m程度。しかし、電磁波であるガンマ線は遠くまで(200m以上)届き、遮蔽には10cm以上の鉛板が必要です。
ということで、空気中での到達距離の短いアルファ線とベータ線は到達距離が短いので人体への影響が少ないと考えられていて、よく皆さんが見るお役所の発表する空間放射線量の多くはシンチレーションカウンターでガンマ線だけを測定しています。しかーし、汚染された粉塵を吸い込んだり食物として摂取したりした場合、アルファ線やベータ線を出す放射性物質は内部被曝として大きなダメージを人体に与えます。
じゃあガンマ線だけの測定では意味が無いのかといえばそうでもありません。実際、外部被曝を考える上で必要ですし、また現在のように放射線源が地表面のセシウム汚染に限定されている場合などは、ガンマ線量は測定場所の地表汚染の度合いと比例していると考えられるからです。
現在では測定にはシンチレーションカウンターが多く使われてます。これは比較的分解能が高く、放射線源の核種の分析も出来ます。他には半導体検出器やガンマ線スペクトロメータなども使われています。
RD1503は小型のガイガーミューラー管を使用した、いわゆるガイガーカウンターです。ガイガーカウンターはベータ線に比べてガンマ線に対する感度が低いため、管が小型の場合や、計測時間が短い場合は、低い値が不正確になる傾向があります。ゆえにガイガーミューラー管は空間線量より、表面汚染などの測定に向いているとされています。じゃあ比較的小さいガイガーミューラー管を使用してるRD1503が使い物にならないのかといえば 、ぜんぜんそんな事はありません。
さすがに最近見かける中国製の物には、そりゃないだろってな高スペックとは裏腹に、こりゃあなんだろうってな短小GM管を使ったうえに、計測演算プログラムがまるっきりテキトーな物が多く、これでなにを測るんじゃいっておもっちゃうことが多いんですが、じゃあ糞高いけどやたらに精密な機械を買えばいいのかっていうとそーでもありません。
たかーい機械はたしかに核種の分析なども出来ていいんですが、現在求められているのは、すでに水素爆発によって放出され、降雨などによって降下した放射性降下物による汚染の分布を判断する助けにするためのコストパフォーマンスの良い計測器だと思います。
さて、ここはつくば市千現にある独立行政法人物質・材料研究機構の前です。
ここは以前から定期的にNaI シンチレーション サーベイメーター(ガンマ線のみ、バックグラウンド0.06µSv/h程度を含む、屋外地上1mでの測定)での測定結果を公開しています。このところ毎日の値は0.15μSv/hが続いていますので、今日もその値だと仮定します(日記掲載時にチェックしたところ6日も0.15μSv/hでした)。これは背景線量を含んだ値です。
では、RD1503で測定してみましょうね。これが正門近くで40秒の測定サイクルを5回、最新4回の平均を取った値が表示されています。0.17μSv/h発表値より少し高めですが、製品スペックの誤差15%は信用しないとして(笑)まあなかなか近い値だと思いますね。
実際、GM管の小さい機種はどこの物でも0.1μSv/h以下の場合はかなり誤差が大きくなるんですねえ、でもその範囲ならなーんも心配する必要が無い値なんで関係ありません。
実はガンマ線は核種ごとにエネルギー値が異なり、線源がいろいろあると低線量では誤差が大きくなるんです、いま大事なのはセシウム134と137に対する感度なんですねえ。
裏門付近では0.190μSv/h。当局の値より25%位大きいですが、十分でしょ。
移動して5分程度測定してます。ここは0.18μSv/h
ここは0.17μSv/h。アスファルト上ではだいたいこの位ですね。
クロさんと移動して。
やってきました、独立行政法人産業技術総合研究所でございます。
ここの測定は1時間毎が3階のシンチレーションカウンタでの測定値が左側、1日2回の駐車場アスファルト面での測定が右側欄になります。これは実測値からバックグラウンドの0.06µSv/hを引いた値なんで、実際には駐車場は0.19(µSv/h)となります。
では、測ってみましょう。今回も5分程度計測。表示は最新4回の平均でございます。0.21µSv/hです、ほぼ10%の違いですねえ、頑張ってます(笑)もっとも元になる計測値もある程度誤差を含んでいるんで、厳密な比較は意味がありませんですね。
これは2箇所目、0.22µSv/h。
じゃあ全域同じ値かって言えば、そんなことはありません。雨の貯まりやすい土の面では0.30µSv/hと少し高め。なおアルミトレーに入れて測ってるのはベータ線の影響を低減するためです。ビニール袋に入れているのは、汚染された粉塵の付着による誤差積み上げを防ぐためです。
また別の地点での計測値、ほぼ全域が0.21~0.22µSv/hとなっています。
さて、今度は。
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(なげー名前、通常はKEK)でございます。
ここはガイガー管で1分平均値を公開しています。ここも背景線量を含んだ値ですが結構低めに出ています。
で、正門前の値が0.17µSv/h。ここは敷地が広いんで同じ条件にはなりませんが、発表値より高めの測定値です。
では移動。
土の上では0.19µSv/h。
500m移動した歩道上では。
0.18µSv/h。
700m位移動、しかし広いなー(笑)ここは0.17µSv/h
生垣の上は0.19µSv/h。公表値は0.11~0.14µSv/h(1分平均)
結果はこんなものでございます。これを誤差が大きいって見る人は電子温度計がないと室温が測れないって思ってる人と同じです。RD1503は以前も持っていて、以前使ってたシンチレーションサーベイメーターとの比較でも低線量での誤差は高めに、0.3µSv/h以上では結構正確な値を示していました。なお、このクラスの機種では、GM管のカバーを着脱してベータ線が測れる謳っている機種でも、ベータ線の数値にはほとんど意味がありません。最近知り合いが買った中国製の機種では、この機種に比べて1桁高い分解能を謳っていますが、実際には測定時間が短いのに短小GM管のため、測定値のばらつきが2〜3倍にもなってしまい、意味のある計測をすることが出来ない状況でした。その値をもとに積算被曝を計算してもなーんも意味がありません。さらに汚染物の上に置いて測定したり、車で移動して測定したり、短い時間で測定したり、食品の測定をしてるムービーを見かけますが、どれも意味がないと思いますねえ(笑)ま、皆さんご自身の判断で活用してくれるといいと思いますね。
さてさてクロさんのお散歩ですよ。
きれいな夕焼け。
夜、カンガルー便にきました。
着払いで受け取ったのは。
地震で壊れた照明器具の笠でございます、これが結構な出費でございます(笑)